空き家の3,000万円特例の計算ツール(相続した実家の売却、3人以上は2,000万円)
空き家3000万円特例(被相続人の居住用財産を売ったときの特例)で、相続した実家を売ったときの税金を計算するツールです。国税庁タックスアンサーNo.3306(令和8年4月1日現在法令等、2026年10月7日確認)に沿って、譲渡所得から最高3,000万円、令和6年以後の売却で家と土地を相続した人が3人以上なら1人2,000万円までを控除し、残りに長期20.315%・短期39.63%の税率を掛けます。
計算方法
空き家の3,000万円特例の計算式
譲渡所得 = 持分の売却代金 −(取得費 + 譲渡費用)
課税譲渡所得金額 = 譲渡所得 − 特別控除(最高3,000万円、相続人3人以上なら2,000万円)
税額 = 課税譲渡所得金額 × 20.315%(長期)または 39.63%(短期)
- 取得費:亡くなった人が買ったときの代金と手数料です。分からないときは売却代金の5%(概算取得費)を使えます。
- 長期・短期:亡くなった人が取得した日から、売った年の1月1日までが5年を超えれば長期です。昔から住んでいた実家なら、ほとんど長期になります。
- 軽減税率は使えない:10年超所有のマイホームの軽減税率(14.21%)は自分が住んでいた家が対象のため、空き家の特例には使えません。
3人以上で相続すると2,000万円に
令和6年1月1日以後の売却では、家屋と敷地を相続した相続人が3人以上の場合、控除は1人2,000万円までになりました。2人までなら1人3,000万円です。控除は相続人ごとに使えるので、2人で相続すれば合計6,000万円、3人なら合計6,000万円が上限の目安です。
主な適用要件
- 昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた家屋で、区分所有建物(マンションなど)でないこと。
- 相続の直前に、亡くなった人が1人で住んでいたこと(老人ホームに入所していた場合も一定の要件で対象)。
- 相続から売るまで、事業・貸付け・居住に使っていないこと。
- 家屋を耐震改修するか取り壊してから売ること。令和6年以後は、買主が売った年の翌年2月15日までに耐震改修や取壊しをした場合も対象です。
- 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること(2024年に相続なら2027年末まで)。
- 売却代金が1億円以下であること。他の相続人が売った部分や分けて売った部分も合わせて判定します。
- 令和9年(2027年)12月31日までの売却であること。
- 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(相続税の取得費加算)などと重ねて使っていないこと。
計算例
初期値:1975年に亡くなった親が取得し、2024年に1人で相続した空き家を、2026年に取り壊して2,000万円で売ったとします。取得費は分からないため概算取得費100万円、譲渡費用200万円で、譲渡所得は17,000,000円です。特例を使わなければ税金は3,453,500円ですが、3,000万円の特別控除で0円になり、3,453,500円の節税です。
4人で相続した場合:1億円で売り、持分25%、取得費は概算、譲渡費用が全体で400万円なら、1人の譲渡所得は22,750,000円です。2,000万円を控除した275万円に課税され、税金は558,600円(特例なしなら4,621,600円)です。2人までの相続なら3,000万円の控除で0円になります。
譲渡所得ごとの税額(長期)
| 譲渡所得 | 特例なし | 3,000万円控除 | 2,000万円控除(3人以上) |
|---|---|---|---|
| 10,000,000円 | 2,031,500円 | 0円 | 0円 |
| 20,000,000円 | 4,063,000円 | 0円 | 0円 |
| 25,000,000円 | 5,078,700円 | 0円 | 1,015,700円 |
| 30,000,000円 | 6,094,500円 | 0円 | 2,031,500円 |
| 40,000,000円 | 8,126,000円 | 2,031,500円 | 4,063,000円 |
| 50,000,000円 | 10,157,500円 | 4,063,000円 | 6,094,500円 |
| 60,000,000円 | 12,189,000円 | 6,094,500円 | 8,126,000円 |
申告に必要なもの
税金が0円になる場合も確定申告が必要です。売った家のある市区町村から「被相続人居住用家屋等確認書」の交付を受け、登記事項証明書や売買契約書の写し、耐震基準適合証明書(取り壊した場合は不要)などと一緒に提出します。
あわせて使えるツール
自分が住んでいた家の売却は譲渡所得税計算、相続そのものの税金は相続税計算、売るときの仲介手数料は仲介手数料計算、持ち続ける場合の税金は固定資産税計算で確認できます。
よくある質問
空き家の3,000万円特例とは何ですか?
亡くなった人が1人で住んでいた家を相続し、耐震改修か取壊しをして売ったとき、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例です。令和9年12月31日までの売却が対象です。
相続人が3人以上だとどうなりますか?
令和6年1月1日以後の売却で、家と土地を相続した人が3人以上なら、控除は1人2,000万円までです。1人2,000万円を超える譲渡所得には税金がかかります。
いつまでに売ればよいですか?
相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。2024年に相続したなら2027年12月31日までで、特例の期限(令和9年12月31日)とも重なります。
1億円の要件は持分ごとですか?
いいえ。他の相続人が売った部分や、分けて売った部分も含めた売却代金で判定します。全体で1億円を超えると使えません。
税金が0円でも確定申告は必要ですか?
必要です。市区町村が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」などを添えて申告しないと、特例は使えません。
相続税の取得費加算と一緒に使えますか?
使えません。空き家の特例と、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例はどちらか一方です。一般に控除額の大きい空き家の特例が有利ですが、両方で計算して比べてください。
マンションは対象になりますか?
区分所有建物(分譲マンションなど)は対象外です。昭和56年5月31日以前に建てられた一戸建てなどが対象です。
出典・根拠
- 譲渡所得から最高3,000万円(令和6年1月1日以後の譲渡で、家屋と敷地等を相続した相続人が3人以上なら2,000万円)を控除。昭和56年5月31日以前に建築、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却、売却代金1億円以下(他の相続人が売却した部分も含めて判定)、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの譲渡。取得費の特例(相続財産を譲渡した場合)などとの併用不可: 国税庁 タックスアンサー No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(令和8年4月1日現在法令等、2026年10月7日確認)
- 長期(譲渡した年の1月1日で所有期間5年超):所得税15%・住民税5%、短期:30%・9%。復興特別所得税は所得税額の2.1%: 国税庁 No.3208「長期譲渡所得の税額の計算」・No.3211「短期譲渡所得の税額の計算」
- 取得費が分からないときは売却代金の5%。相続した土地・建物は、亡くなった人の取得費と取得時期を引き継ぐ: 国税庁 No.3258「取得費が分からないとき」・No.3270「相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」
- 国税庁 No.3305「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」(自分が住んでいた家屋が対象。空き家の特例には適用されない)
- e-Gov法令検索「租税特別措置法」第35条第3項〜第5項(被相続人居住用家屋等の譲渡)
更新日: · 編集方針
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