NPSH 計算:設備側の有効吸込ヘッド(NPSHA)

この NPSH 計算ツールは KSB ポンプ用語集の式で有効吸込ヘッドを求めます。水の場合は温度から IAPWS-IF97 の式で飽和蒸気圧を計算します。例:開放タンク、水面がポンプより 3 m 下、20 °C、吸込損失 0.5 m なら NPSHA = 6.59 m です。

計算例:液体: 水(温度から蒸気圧を計算) · 水温 20 °C · 密度 ρ 1,000 kg/m³ · 大気圧 p_b 1.0133 bar · タンク内のゲージ圧 p_e 0 bar · ポンプ中心からの液面高さ z -3 m · 吸込管の損失ヘッド H_v 0.5 m → 有効吸込ヘッド:NPSHA 6.59 m。出典:KSB Centrifugal Pump Lexicon, “NPSH”: NPSHA = (p_e + p_b − p_D)/(ρ·g) + v_e²/2g + z_e − z_s − H_v,e,s; NPSHA ≥ NPSHR, NPSHR commonly = NPSH3 (3 % head drop) (read 09.10.2026)。更新日:

°C
kg/m³
bar
1.01325 bar = 標準大気圧。高地では低い
bar
開放タンクは 0
m
マイナス = 液面がポンプより下(吸上げ)
m
配管・エルボ・弁・入口
m
性能曲線から。0 = 比較しない
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結果

有効吸込ヘッド
NPSHA 6.59 m
詳細
項目値
飽和蒸気圧 p_D2.34 kPa
圧力ヘッド (p_e + p_b − p_D)/(ρ·g)10.09 m
ポンプ中心からの液面 z-3.00 m
吸込損失 H_v0.50 m
NPSHA6.59 m
計算上の値です。タンク液面の速度ヘッドは無視し、基準点は羽根車中心です。密度は送液温度での値を入れてください。

計算方法

NPSHA =(p_e + p_b − p_D)÷(ρ · g)+ z − H_v。KSB 用語集の有効吸込ヘッドの定義を、タンクから吸い込む場合に書いたものです。p_e は液面のゲージ圧(開放なら 0)、p_b は大気圧、p_D は液体の飽和蒸気圧、z は羽根車中心から見た液面の高さ、H_v は吸込管の損失ヘッドです。KSB は入口断面の速度ヘッド v_e²/2g も加えますが、タンクの液面ではほぼ 0 です。

計算例(水、ρ = 1000 kg/m³)

条件水温液面 zH_vNPSHA
開放タンク・吸上げ20 °C−3 m0.5 m6.59 m
開放タンク・押込み20 °C+2 m1.0 m11.09 m
開放タンク・温水80 °C+3 m0.5 m8.00 m
密閉タンク・ゲージ圧 1 bar60 °C−2 m0.8 m15.70 m

比較のため密度は 1000 kg/m³ のままにしています。温水では実際の(小さい)密度を入れてください。20 °C では、大気圧から蒸気圧を引いた分が水柱 10.09 m に相当します。高地などで大気圧が 1.01325 bar ではなく 0.90 bar しかないと、最初の例は 5.44 m に下がります。

水の飽和蒸気圧(IAPWS-IF97)

IAPWS 工業用定式化 1997 の式 (30) を使っており、300 K での公式検証値 3.53658941 kPa と一致します。主な値:0 °C 0.61 kPa、10 °C 1.23 kPa、20 °C 2.34 kPa、40 °C 7.38 kPa、60 °C 19.95 kPa、80 °C 47.41 kPa、100 °C 101.42 kPa。沸点に近づくと蒸気圧が大気圧をほぼ打ち消すため、温水は押込みで送る必要があります。

NPSHA と NPSHR

KSB によると、NPSHA ≥ NPSHR ならポンプは許容できないキャビテーションなしで運転できます。NPSHR は多くの場合 NPSH3(揚程が 3 % 下がった時点の値)なので、余裕を見るのが普通です。吸込管の損失は圧力損失 計算、必要な動力はポンプ動力の計算で求められます。

よくある質問

NPSHA はどう計算しますか?

NPSHA = (p_e + p_b − p_D)/(ρ·g) + z − H_v。開放タンク、20 °C の水、液面がポンプより 3 m 下、吸込損失 0.5 m なら 10.09 m − 3 m − 0.5 m = 6.59 m です。

NPSHA と NPSHR の違いは?

NPSHA は設備側(タンク・配管・液体)で決まり、NPSHR はポンプ側でメーカーの性能曲線に載っています。NPSHA ≥ NPSHR に加え、安全余裕が必要です。

なぜ温水はキャビテーションを起こしやすいのですか?

蒸気圧が急に上がるためです。20 °C では 2.34 kPa、80 °C では 47.41 kPa。押込み 3 m なら 80 °C でも 8.00 m ありますが、吸上げではほとんど無理です。

z はプラスですか、マイナスですか?

液面が羽根車中心より上(押込み)ならプラス、下(吸上げ)ならマイナスです。最初の例は z = −3 m です。

絶対圧で計算する必要がありますか?

はい。NPSH は絶対圧で計算します。大気圧にタンクのゲージ圧を足します。ゲージ圧 1 bar・60 °C の密閉タンクの例では 15.70 m です。

結果はどのくらい正確ですか?

入力値からの計算上の値です。吸込損失と密度は実際の運転点に合わせてください。タンク液面の速度ヘッドは無視しています。

出典・根拠

更新日: · 編集方針

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